2005年5月5日の並木

 5月8日の下見に5月5日に並木を歩いてきました。ようやく春めいてきて,サクラがちょうど満開から散り始めというところでした。

キタコブシ (北辛夷・モクレン科)と岩手山(写真上)
 キタコブシはこの時期,すでに終わりかけていました。
 この並木にはキタコブシが多く混じっていて,4月末から5月始めは大変美しい様相を見せてくれます(写真下)。車からみているとキタコブシと山桜(カスミザクラなど)が目を楽しませてくれます。
ハリギリ (針桐・ウコギ科)
 4月17日にはまだ堅かったハリギリの冬芽も開きはじめました。開きはじめると冬芽からは想像もできないくらい,大変勢い良くみえます。
ハナイカダ (花筏・ミズキ科)
 葉の中央に少し白っぽいものがついているのがわかるでしょうか?実はこれハナイカダの花です。葉を筏に,葉の中央の花・実を人に見立てて名前がついたようです。
 この木は雌雄異株で,写真の葉は雄木でした。新芽や新葉は食用になるそうです。塩茹でしたものを炊きたてのご飯に混ぜるとおいしいとか。
ホオノキ (モクレン科・朴)
 葉が大変大きく,長さ40cm,幅25cm程度になります。この大きい葉は各地で料理に使われることが多く,信州の“朴葉味噌”などが有名です。葉の脇にあるピンク色のものは新葉を包んでいた托葉(たくよう)です。新葉を保護するためのもので,このあとすぐに落ちてしまいます。この時期にしかみられず,新緑とピンク色が何ともきれいな取り合わせです。
コナラ (ブナ科・小楢)
 写真は本当に開きはじめたばかりのコナラの新葉です。この季節の新葉にはワインレッドや赤褐色を帯び,毛が密生しているものが多いです(次のヤマブドウも同様)。これは新葉を紫外線から守る役割があるとされています。
 この後,2週間もすると毛も少なくなり,緑色になってきます。まさにこの時期だけしかみられないものです。
ヤマブドウ (ブドウ科・山葡萄)
 右の写真だけ見ているとヤマブドウだなんてわかりませんね。フサフサの毛布にくるまれているように見えます(残念ながらこの画像からはあまりわからないかも知れませんが)。いかにこの時期の新葉を守ることが大事なのかが伺えます。色や形からまるでバラのようにもみえますね。
ウグイスカグラ (スイカズラ科・鶯神楽)
 春のわりと早い季節から咲き始める花です(関東では1月くらいから咲いています)。淡いピンク色の星形の可愛らしい花ですね。
シロバナエンレイソウ (ユリ科・白花延齢草)
 写真では一枚の葉に見えますが,三枚の葉が輪になって付いていて,その中央に白い花がつきます。花が紫褐色のエンレイソウという近縁種もありますが,この並木ではシロバナエンレイソウが中心のようです。
シュンラン (春欄・ラン科)
 4月17日には咲いていなかったシュンランも咲き始めていました。淡い黄緑色と黄色,褐色とあまり目立つ花ではありませんが,じっくりとみると気品のあり美しい花です。